競輪用自転車

競輪で用いられる自転車は「ピスト(レーサー)」と呼ばれている。規格に基づいた専用仕様の一人乗りの競技用自転車であり、競輪の関係法令においては『競走車』(単式競走車)と呼ばれている。この自転車はNJS規格(協会がJKAに改称後もこの呼称が継続している)に適合する部品により製作することが義務づけられていて、組み立て後の車体検査に合格しなければレースで乗車することはできないとされる。
車体となるフレームはクロムモリブデン鋼のパイプ(鋼管)を素材とした「クロモリフレーム」と呼ばれるもので、使用者の体格に合わせて完全オーダーメイドで製作される。
フレームのうち、サドルを支える心棒(タテパイプと呼ばれる)の角度は乗る選手の脚質によって異なる。具体的には先行選手は後ろに重心をかけて乗る傾向にあるため、タテパイプの角度が後ろに寝ているなどといった特徴がある。捲りの選手はチェーンの長さを短くし、踏み込む力が伝わりやすくなるようタテパイプの角度を立たせている。
車輪は直径が27インチ(68.8cm)と決められている。金属スポークおよびリムにより構成されており、タイヤは大きさ675mmのチューブラー(チューブ一体型)タイヤを使用するが、車輪はフレームと違い、コースコンディションや脚質による選択は出来ない。
ハンドル・クランク・サドル・ギア・ペダル・チェーンなどの部品は規格に基づいて製作されたもの中から選択して使用する。サドルは、一般の自転車と比べ細くて堅い作りになっている。サドルを支える心棒(シートポスト)は、設定する高さが1~2mm違うだけでペダルを踏み込む際のバランスが変わると言われている。サドルを高くすると加速しやすくなる半面、横から力がかかった際にバランスを崩しやすくなり、他の選手のとの衝突などの際に落車の危険が増す。ハンドルは、乗る選手の体型や脚質によって幅や湾曲、材質が異なっている。フレームとハンドルの固定部分(ハンドルポスト)は、身長や腕が長い選手ほど長く設定している場合が多い。
ギアは空回りのない固定ギアとなっており、クランク側と後輪ハブ側のスプロケットの歯数を選手が自分で判断し交換している。
ブレーキは装着していないため、ギアが空回りしないことを利用して後ろへペダルを踏む(「バックを踏む」という)ことにより減速する。ファンの車券作戦において、ポイントとして結びつくルールの一つに「ギヤ倍数」というものがある。ギヤ倍数とは、自転車についている前後2枚のギア(スプロケット)のうち、ペダルについているギヤ(大ギヤ)の歯車の数と後輪のギヤ(小ギヤ)の比率のことである。これは、大ギヤの歯車の数を小ギヤの歯車の数で割ることで求めることができる。各選手はレース前にギヤ倍数を申告し、数値は出走表に表示されることになる。出走表掲載後に急遽変更する場合もあり、その際は場内放送などで告知される。

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